京都の通りをデザインする                                                           公益社団法人京都デザイン協会

三条通りを中心とした新たな京都観光の姿

E.ai

堀川・鴨川地区

1.三条小橋西詰め北側
(さんじょうこばしにしづめきたがわ)

幕末動乱の時代、三条小橋西入の旅館池田屋は、新選組が京都守護職の元で治安を守る最大の仕事をした大舞台であることは良く知られています。現在は飲食店「池田屋」とその前の「池田屋騒動之址」の石碑が残るのみで寂しい限りです。池田屋事変のあった150 年経った現在も、新選組の存在と活躍ぶりが知られている。そのメイン舞台の池田屋を、伏見の寺田屋のように当時の建物の形に復原し、幕末資料館として公開すれば、必ずや多くの人が訪ねる「古くて新しい名所」の一つになるでしょう。
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2.三条小橋西詰め南側
(さんじょうこばしにしづめみなみがわ)

東海道五十三次の終着点、三条大橋を渡ると、そこはあこがれの「京の都」の繁華街。旅館や土産物屋、料理屋が軒を連ね、旅人や町衆で賑わっていた。当時を感じさせる店が今なお商売を続けている
三条小橋商店街。
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3.三条寺町
(さんじょうてらまち)

三条寺町の交差点は楽しげなポイントです。三条河原町から始まる三条名店街商店街のア?ケードが寺町通で終わり、四条寺町から北上してきた寺町商店街のアーケードも三条通で一旦、青空になる。
再び寺町商店街のアーケードが三条通の北詰から北上する。つまり、それぞれ趣の違った商店街の3つのアーケードの入口がこの交差点に顔を向けている。従って空気感やファッションの異なる老若男女の買い物客や観光客がこの交差点で混在する。夏場では日陰となったアーケードから、炎天下の交差点となる。夕立の時は、アーケード内に多くの雨宿りの人でいっぱいになる。歩行者が季節を感じられるポイントである。
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4.三条通の舗装のデザイン
(さんじょうどおりのほそうのでざいん)

寺町から新町の間の三条通の道路の舗装が数年前、新しいデザインに施された。
道路幅員が約7m のうち約1.5m の歩道が両サイドに2本。西行一方通行の車道がセンターに走る。この構成は他の同じような幅員の道路と変わらないが、歩道部分の舗装がグレーと白色の煉瓦サイズのタイルが貼られている。歩道と車道間には高低差は無い。無理の無いデザインである。このデザインによって、しだいに自然と車両の走行や店先の駐車を遠慮したりして、歩行者が道路全体をゆっくり歩けるようになった。軒並み店舗が活気を取り戻し新しい京都観光のストリートになり、終日歩行者で賑わっている。
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5.近代建築のイノベーション
(きんだいけんちくのいのべーしょん)

三条通はかってメインストリートであった頃、明治、大正時代に官民の業務地区として多くの近代建築が建てられた。現在も数件が現存し、この地区の景観イメージをりーどしている。そのほとんどは文化財としての保存指定を受けている。と同時に新たな機能を備えた建築として再利用されている。
旧毎日新聞京都支社ビルは1928ビルとして建築された年度を記念した名前が付けられ、ギャラリー、ショップなどがテナントとして入り若者たちの人気を博している。
旧家邊徳時計店ビルは賃貸ビルとして現存している。ファッション店や物販店などが入居していたが、2013 年8 月現在は空家になっている。中を覗いて見ると木造の回り階段や土蔵の金庫らしきものがあり、明治時代の宝飾店らしい豪華なインテリアである。今後どのような用途で再生するのか愉しみである。
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6.継承される町家
(けいしょうされるまちや)

三条堺町北東角に三間半の間口のしっかりした造りの町家、分銅屋足袋店がある。近代色の強い三条通に平入の屋根のしっかりした木造の2 階屋。塗り込めの防火壁を施した2 階部の突き出し看板は力強い。1 階の店構えは恐らく現代風に改装されたのか京格子は見られないが、ショーウインドーのディスプレイの淡白さが老舗の自信を伺わせるもののような気がする。
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7.室町界隈の新たな展開
(むろまちかいわいのあらたなてんかい)

三条室町界隈も新しい展開が見られる。バブル崩壊以降、呉服業界が苦戦しているがどっこい新しい展開が進んでいます。近年、IYEMON SALON KYOTO が京友禅の老舗千聰ビルの一階に出店。日本のお茶を本格的にたのしむ空間を展開。
数年前からは両替町の北西角の老舗帯問屋誉田屋ビルの1 階に韓国式茶店素夢子古茶家(そむし こちゃや)がある。韓国の伝統漢方茶を提供してくれる。
両店とも、現代と伝統のコラボの重要性に取組んだ新たな展開である。烏丸以西に観光客を誘導する力があり、同時に着物産業の老舗が凛として通りの格調を支えている。
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8.新町以西の活力
(しんまちいせいのかつりょく)

三条西洞院以西も町家を改造。イノベーション事業としてカフェなどの出店が目立ち始めている。
その趣向もオープンテラスを三条通に面したカフェや一階を駐車場にしたまま2階をカフェにした店舗など個性的な店がちらほら。今のところは穴場的なポジションのようだが、通りとしての潜在的な活気が感じられる。新町堀川間のこの地区では「三条通りを考えよう会」が住民主体で組織され、地区の活性化に取り組んでいる。三条通に面した玄関横の犬走りのスペースに床几を置き通行人の休憩場を提供している。三条通を愛している心意気が伝わってくる。
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