京都に根ざした優れたデザインを発掘

モザイク&ステンド
グラスに魅入られて。
空間演出のプロの
“美の技と心”

アガタモザイク

 〒601-8454
 京都市南区唐橋経田町25
 TEL:075・681・7935
 FAX:075・681・7938
 E-mail:agata-m@mbox.kyoto-inet.or.jp

モザイクのオリジンは紀元前のヨーロッパ。モザイクと聞いて銭湯の壁模様を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。ホテルやホール、公園の意匠、と幅広い分野にモザイクを手がけてきたが、いずれも人が多く集まる場所であるのは、Mosaicの語源[小さいものを寄せ集める、の意]を彷佛させるようで面白い。だが、モザイクは廃れゆく過程にあるという。流行り廃りは世のならい、銭湯の衰微とも関係があるかもしれない。最大の原因は、不況のあおりを受け、公共建設にゆとりがなくなったこと。が、藤田雄彦は黄昏をただ指を銜えて眺めていたのではない。ピンチの裏にチャンスあり、のチャレンジ精神からステンドグラスの世界に分け入った当初は、欧米の影響を強く受けていた。だが、日本人はもっと繊細だし、もっと粋だ その想いで仕事を続けてきたことが、国内はもちろん、世界的に名高い今のアガタモザイクを生みだした。
誕生から30年、原点に立ち返り、アガタモザイクは大幅な制作費の見直しを断行。何よりも、モザイクを、ステンドグラスを、つくり続けてゆきたい。貧しい時代だからこそなおのこと、世の中を少しでも美しくすることにいっそう参画してゆきたい。工房の、誠実で真摯な姿勢に、大きな声援と拍手を送りたい。

077_1.jpg
写真/H氏邸ステンドグラス(設計:竹中建築設計事務所 施行:(有)西村建築工房 撮影:ヘルムートゥ・シュタインハウザー)