京都に根ざした優れたデザインを発掘

職人の誇りが、
本物を
伝え残す

有職畳・数寄屋畳・コルタ畳  磯垣タタミ

 〒603-8152 京都市北区鞍馬口通烏丸西入
 TEL:075・441・6500/FAX:075・441・6500

発砲スチロールの畳床に輸入品の畳表をホッチキスで止める化学畳と呼ぶ今どきの畳。作業がしやすく、コストもかからない。しかし古畳の焼却処分時にダイオキシン等化学物質が出て、リサイクルもできない途方もない枚数の使用済みの畳をこれからどうするつもりなのか。磯垣タタミ主人磯垣昇は憂鬱になる。本来の畳は、藁の畳床に板を入れ、畳表を縫い付け、手でまつって作る。古くなれば田畑に戻せばよかった。藁やイグサなど自然素材だから呼吸をし、湿度を調節してくれていたのだが、化学畳ではそうはいかない。畳に使用される防虫剤や防腐剤は、身体にもいいはずはない。
そんな中で磯垣タタミが考案、特許を持つ炭化コルク畳床のコルタ畳は、水分を調節し、ダニ抑制効果、断熱性能を持ち、焼却や田畑に戻すことも可能な、藁床にかわる優れた素材だ。近年、健康住宅ブームで自然素材が見直され、コルタ畳にも注目が集まり、京都府デザイン賞エコロジー優品認定を受けた。
また、伊勢神宮などの神社の御神座や、京都御所の厚畳など特殊な場所で使用されてきた有職畳。その約85%が京都市内で生産され、装束店や仏具店から全国に納められているが、有職縁や紋縁などの伝統的な畳の縁を使用して常時加工する畳店は京都でもわずか数店鋪しか残っていない。創業80余年になる磯垣タタミはその中の貴重な1軒である。
化学床を使い、輸入畳表に頼らざるを得ないために必然的に畳職人の技は忘れられ、失われていく。こんな現状を残念に思い、最高級藁畳をはじめ虚無僧笠、浪人笠、流鏑馬笠等特殊イグサ製品や有職畳等をがんばって努力し、昔ながらの技を次の時代まで絶やさないこと、これが磯垣タタミの最大の目標である。

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写真1:有職畳を加工できる職人は京都でも数少ない
写真2:コルタ畳
写真3:コルタボード畳