京都に根ざした優れたデザインを発掘

合理化の
名のもとに、
捨てられてきたものを
丹念に拾い集めて

御菓子司 月待庵
株式会社 伊藤軒

 〒601-8048
 京都市南区東九条中殿田町16-1
 TEL:075・681・6784
 FAX:075・681・6785

江戸時代から続く菓子処、伊藤軒は下京区因幡堂町にある真言宗智山派、福聚山平等寺の参道入り口に瓦煎餅の製造販売を創業したことに始まる。4代目の今も瓦煎餅をはじめ主力は「かわきもの」とよばれる菓子、飴、駄菓子である。どんどんと昔の味が失われていくいま、人をほっこりと楽しい気分にしてくれた昔の菓子の味を残したい、そんな思いから今はなくなってしまったお菓子を少しずつ復元していった。昔ながらの製法を守り、合成着色料や遺伝子を組み替えた原料などは一切使わない。というより、昔からあるものはそんなものを必要としなかった。現在取扱う品目は6000種、多くの下請け職人をかかえ、機械で量産する必要はないからとひとつひとつ手づくりの、昔なつかしい味を守っている。味を支える職人を育て守っていくことも店の仕事。製造部では若い職人が日々技を学んでいる。昔からの材料や製法を組み合わせ、独自のアイデアを加えて、たとえばアトピーや花粉症対策、ダイエットなどの新しい用途の提案やパッケージの刷新、またはホームページでの情報発信によって、昔のお菓子を知らない若い人たちにもうける商品を提案している。変わらないでいること、変わるべきこと、そのバランスが見事である。

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京の飴 おちゃめシリーズ