京都に根ざした優れたデザインを発掘

社会への
統合をめざし、
試行錯誤と
努力の成果

社会福祉法人 修光学園

 〒606-8033
 京都市左京区修学院山添町8-2
 TEL:075・702・1700
 FAX:075・702・2700

修光学園は、知的障害のある人の人権の回復と社会参加を支援するために、理事長の森昇が私財を投じて設立した社会就労センター(授産施設)である。この学園では不況という社会状況の中でますます就労が困難になった障害のある人々のために、直営のギャラリーやベーカリーショップ、就労センターを設けることで働く場の提供や生活支援を行っている。メンバーの働く喜びや意識を引き上げ、社会参加を実現するための商品開発もその一環である。作業がしやすく商品価値の高いものを試行錯誤した末、考案されたのがMade in Kyoto ベストデザイン商品に入賞した「練り込み箸置き」である。入賞はメンバーの努力、職員の熱意とプロの支援の成果だと森理事長は語る。同じ地域の同年代の人と、同等の生き方が保障されねばならないという、障害者のためのスタンダードルールがある。それが困難な時代、この入賞は大きな励みとなった。障害のある人も社会に通用する商品を作ることができるということをアピールできたからだ。この商品は直営のギャラリーや市内のクラフトショップで販売、人気を博している。色の違う粘土をスライスし、重ね、型を抜いて、ていねいに磨く。手間のかかったユニークな作品だ。障害に屈せず社会参加をめざす人たち、同時に森理事長をはじめ、障害のある人を区別することのない社会の実現と完全な統合をめざして、日々努力している人たちの思いが込められた商品である。

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写真:練り込み箸置き