京都に根ざした優れたデザインを発掘

変わらない味、
時代に合わせて
変えるかたち

茶匠 株式会社 井六園

 〒601-8452 京都市南区九条通七本松東
 TEL:075・661・1691(代)/FAX:075・681・3288

創業は文政元年(一八一八年)、茶道の理である「一期一会」  お茶と人(心)のめぐりあい……を企業理念とし、お茶づくりの伝統を守りつつ、新しい時代に対応できる緑茶メーカーをめざしている。人をもてなし、和みを演出し、心と身体を新鮮にしてくれるお茶は、茶禅一味の教えとして、千利休に始まる日本人の精神・生活文化の基盤をつくって来た。しかしそれゆえ、変化の時代にあっても変わらないことがあたりまえだった。そんな中で井六園は、茶の文化を現代の生活様式にマッチさせていこうとする茶業界の提案型メーカーである。日本で初めての煎茶ティーバッグの開発に始まり、京都洛西の名刹「六波羅蜜寺」の有名な“大福茶”の風習を見事に商品化、京都発幸福行きのヒット商品として定番化させた。その他、低温で、甘みのある味に仕上げる水出し茶の提案など、次々と新しいアイデアをかたちにしてきた。古い伝統のお茶そのものを守りながら、新しいスタイルを提案することで、現代の一歩先のお茶の開発と若い人達の、お茶にふれる機会を広げることに挑戦している。その戦略のひとつが、パッケージのデザインだ。おいしそう、楽しそう、先様に喜んでいただけそう  と、お客さまが自ら手にとって選んでいただけるよう、井六園らしい、京都のお茶らしいデザインを心掛けてきた。プロによるきれいなデザインより、作り手の素朴な念いを込めてつくる方がよいとの考えから、デザインは自社で考案、社長の自宅で深夜までミーティングに及ぶこともある。「おいしいお茶を一人でも多くの人に飲んでほしい  そんな思いを大切にする“古くて新しい茶匠”である。時代を読み、現代生活にお茶を溶け込ませる一方、江戸時代の「お茶壷道中」の復活や、京都の伝統的な味である京番茶を古式焙煎法で昔風に仕上げた。名付けて「平安京のおばん茶どす」  今全国的にヒットしている。最近はお茶の健康指向を積極的にアピール…“緑いっぱい人にやさしい”をコンセプトに明日のお茶づくりを目指す老舗である。古きよき伝統を守り、次代へ伝えていこうとする茶業界のonly one企業がここにある。

042.jpg
写真1
有心銘茶 禅の詩
  
写真2
吉運大福茶
 
写真3
バラエティーなお茶