京都に根ざした優れたデザインを発掘

ごあいさつ

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 近年、ものの豊かさから、こころの豊かさへと価値観が変化し、90年代は真に豊かで潤いのある生活が求められる時代と言われております。
 わが国の経済を見ても、ソフト化の進展、消費者ニーズの多様化、さらに国際化の進行に対応して、産業界においては製品の付加価値を高めることが重要な課題となっております。
 こうしたなか京都府では、「生活文化の創造」を合言葉にさまざまな分野から京都産業の活性化プログラムを展開しております。
 産業デザイン振興の面からは、地場産業や地域中小企業のデザイン開発力の強化、高度化のため、平成元年度から「Made in KYOTO ベストデザイン賞選定事業」を実施し、京都ブランドの普及啓発並びに企業のデザイン開発意欲の喚起を図ってまいりました。そして、昨年度からは、事業の一部を改定し、新たに「Made in KYOTO 京都デザイン優品選定事業」として、さらに効果的に事業を推進し、京都産業の活性化を促進しようと努めております。
 新制度として2回目を迎えた今回は、ふろしき、照明器具、自転車など身近な生活用品からカメラ、釣具等の嗜好品、また、X線撮影装置といったハイテク機器まで、前回にも増してバラエティに富んだ商品を選定いたしております。これらの商品は、どれも京都が世界にアピールできるすばらしいデザイン商品ばかりです。
 どうかこの機会に「京都デザイン優品」をご愛顧いただき、皆さんの生活がより豊かで潤いのあるものになることを心から願っております。

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本郷 大田子
(社)京都デザイン協会 理事長

優秀なデザインの創造と発見

モノ(デザイン)が私たちの思考や趣味に及ぼす影響力はコトバと同じほどにつよい。
と東京造形大の柏木博氏は言った。明治維新後の急速な欧米化は、外国語よりも、ランプや椅子、洋服と言ったモノを通して多くのヨーロッパ文化を知ったからである。メディアの発達したいま、このことはさらに増幅され、モノに多くの意味とメッセージを付け加えて、人々の豊かさへの欲求に答えようとしている。
優秀なデザインとはより深い意味と、より必要なメッセージをモノに託していると言える。
'95Made in KYOTO 京都デザイン優品選定事業は、そうした優秀なデザインを創造、発見し、それを公式に認定しようというものである。
shot02.jpg今年度は総数275点の中から79点が選定されるという厳しいものであったが、伝統と歴史に裏打ちされた確かなもの、未来を志向した尖鋭的なもの、ともに京都の知恵と豊かな資質を感じさせるものであった。
今、時代は一段と変革し、京都のモノがこの国のみならず世界の人々に必要とされるものに位置づけされる時が来るやもしれない、さらなる研鑚を勤め期待にこたえてほしいものである。