京都に根ざした優れたデザインを発掘

コミュニケーションを
文化に高める、
福井朝日堂の
こだわり

株式会社 福井朝日堂

<本社>
 〒604-8082
 京都市中京区三条通麩屋町東入弁慶石町40
 TEL:075・231・8291(代)/FAX:075・231・8294
<東京営業所>
 〒111-0056
 東京都台東区小島2丁目9番2号
 TEL:03・3861・3018(代)/FAX:03・3851・2465

都が京都にあったことによって、日本人の美意識は育まれたのだという。四季折々の美しい自然と盆地特有の微妙な気候の変化。それが織り成す自然の色彩や香りを取り入れ、文化にまで高めた日本人独特の感性は京都の地で花開いた。花鳥風月に彩られた美しい日本の自然。それらを独自の意匠で様々な工芸品に昇華し、また詩歌や文などのコミュニケーションの手法をも風雅の境地まで導いた。たとえば封を切れば、こぼれる花びらにほのかな芳香…。今に伝わるおくゆかしい日本の心である。
福井朝日堂は明治33(一九〇〇)年の旧郵便法の改正後に初めて私製絵はがきを世に出した原色版絵はがきの元祖である。以降、カラー印刷、金箔、銀箔、浮き出しなど特殊印刷の先鞭を付け、高付加価値印刷による紙工芸品の老舗として現当主で5代目、百有余年の歴史を有している。京都に伝わる美しい絵巻や屏風、国宝級の障壁画などをミニチュア複製し、絵葉書やグリーティングカードという身近なものによって、千年の都で育まれた日本の美意識を現代人の心に呼び覚まし、同時にその商品を橋渡しに世界中の人々に日本の文化や芸術を紹介する。
京都本社三階の展示堂に一歩足を踏み入れると、そこに広がる驚くほど多岐にわたる福井朝日堂制作の商品は、まさに小さな宇宙と表現されるにふさわしく、また最高のクオリティーを追求するこの会社の一途なまでの熱意と姿勢が感じられる。福井朝日堂の単に原本を複写するのではなくきちんと複製をつくり、そこから版を起こして印刷するというこだわりが、それを単なる商品ではなく、アート、文化として存在させている。
こだわりかたもオリジナルの複製をつくるだけにとどまらず、原紙も止め柄の特別紙を誂え、本物に忠実に、印刷コストより品質を重視する。制作ロットも小さいが絶版には決してしない。普通に考えれば非効率的なことを敢えて行う。その違いがわかるからこそ日本国内はもとより海外でも高い評価を得ることができるのだ。良さをわかってくれる人が買ってくれればよいと、京都らしいともいえる誇りをもって大量生産品とは一線を画す、老舗ならではのものづくりである。いにしえの人々が愛でた、その雅びやかな世界を福井朝日堂は今を生きる人々にも楽しんで頂きたいと考えている。

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写真1
名画屏風と和風グリーティングカード

写真2
日本の心を伝える商品の数々

写真3
豪華絢爛な和風ステーショナリー